民事再生を検討している経営者の方へ

 経営者の方から,「資金繰りを改善したい」「ジリ貧の会社を立て直したい」といった相談を多くいただきます。

 経済的窮地に陥った会社が立ち直る方法として,「民事再生」という制度があります。

 様々な事情で経済的窮地に陥ってしまったとしても,民事再生によって債務が減額され,資金繰りが改善されれば,本来の強みを発揮でき,V字回復できる場合も少なくありません。

 事業の継続に関して,お悩みの際は,まず一度ご相談ください。

事業譲渡型の民事再生

文責:弁護士 上田佳孝

最終更新日:2021年04月22日

1 民事再生は、事業譲渡して事業を生かすのにも有効

 民事再生は、会社が、裁判所を通じて借金を減額してもらう手続きです。

 社長自ら事業を続けて、その収入から分割で返済するケースも多いですが、別会社に事業を引き継いでもらって事業を続けるケースもよくあります。

 別会社に事業を引き継ぐ民事再生を、事業譲渡型の民事再生ということもあります。

 

2 事業譲渡型の簡単な流れ

⑴ 裁判所に民事再生の申立てをする

 このときに金融機関等に民事再生することを知らせて支払いを止めることになりますので、最も混乱を避けられるスケジュール調整や資料集めを、弁護士と事前に相談しておきます。

⑵ 再生手続が裁判所で開始される

⑶ 事業を引き継いでくれるスポンサーを募集する

 事前に会社の財務状況や法律上の問題点を整理しておきます(「デューディリジェンス」といいます)。

 これをもとに募集要項を作成し、必要に応じて会社の情報を開示し、事業譲渡する場合の金額その他の条件を詰めます。

⑷ スポンサーを選考し、基本合意書を作成する

 事業を引き継いでくれる会社との間で合意書を作ります。

⑸ 裁判所又は監督委員の許可を得て事業譲渡を実行する

 事業譲渡は、大きな金額が動くので、裁判所又は裁判所が選ぶ監督委員という弁護士の許可が必要です。

 スポンサーや対価の決め方の妥当性等がチェックされます。

⑹ 再生計画案を提出する

 事業譲渡すると、元の会社が収益から返済するのは難しいので、事業譲渡の代金から一括で借金を返済し、それでも残る債務は免除してもらうという返済案(再生計画)になることが多いです。

⑺ 再生計画が可決、認可され、返済する

 一般的に債権者の過半数が賛成しなければならないので、決をとり、裁判所が認可すれば、返済案(再生計画)に従って返済します。

 

3 事業譲渡型のポイント

 一番のポイントは、資金繰りが尽きないうちに、事業を引き継いでくれるスポンサーが見つかるかどうかです。

 二つ目のポイントに、事業を引き継ぐ側は、できるだけ安い金額で、法律面の問題点も少ない状態で引き継ぎたいと考えますが、民事再生では、お金を約束どおり返済してもらえない債権者や、裁判所の目もありますので、不適切に安い対価や引継先にばかり有利に法律上の問題点を解決することはできません。

 そこで、スポンサーも裁判所・債権者も納得する対価や条件が実現できるかが重要です。

詳細は、民事再生に通じている弁護士にご相談ください。

民事再生ができる条件

文責:弁護士 上田佳孝

最終更新日:2021年01月08日

1 民事再生では、資金繰りが続くことが最重要

 民事再生は、裁判所に申請して、借金を大きく減額してもらい、分割払いで払っていく手続きです。
 民事再生は、事業を続けていくことが前提ですから、民事再生を成功させるために最も重要なのは、資金繰りが続くことです。
 たとえば、半年後に売上が入ってくるとしても、今月の仕入代が払えなくて新しい仕入ができなければ、事業は続かないですし、今月の従業員の給料が払えないなら、売上が入ってくる前に従業員はやめてしまうでしょう。
 このように、最低限事業を続けるために必要な支払いができるだけの現金が確保できている状態が続いていくかが資金繰りです。
 弁護士は、民事再生を検討される方には、日々の資金繰り表を作ることをお勧めしています。

 そして、大きな入金日と大きな出金日を把握して、現金がマイナスになる日があるなら、どの支払いを先延ばしにすることができるかや、そもそも払わないかを検討します。
 税金は、滞納していると差押えの可能性が高いので、分割払いの交渉を試みます。
 借金の返済は、民事再生を始めると止まるものが多いので、まずは返済を抜きにした資金繰りを考えます。

 

2 民事再生では、黒字化の目途が立たなけばならない

 民事再生は、将来の収入から返済していくことが基本です。
 事業が赤字では、収入より支出が多いわけですから、返済の目途がなく、民事再生は基本的に認められません。
 そこで、返済がなければ黒字なのか、もし現在赤字なら、早期に黒字にする目途があることを数字で示すことができるかがポイントになります。

 

3 裁判所に納める予納金を納めることができること

 民事再生法には、①破産の原因となる事実が生じるおそれがある又は債務の支払が事業の継続に著しい支障をきたす②費用の予納がある等の要件があります。
 ①は、財産や信用状態からして継続的に返済していくのが難しい状態であるか、工場を売り払えば返済できるが工場がないと事業が続かない場合等を指し、ご相談に来られるほとんどの会社が満たします。
 しかし、②は資金繰りとの関係でネックになることが多いです。
 民事再生を裁判所に申請してすぐに、予納金を裁判所に納める必要があります。
 裁判所によりますが、会社の民事再生は最低でも200万円かかる裁判所が多いです。
 これを払っても、資金繰りが続くことが必要になってきます。

民事再生のメリット、デメリット

文責:弁護士 上田佳孝

最終更新日:2020年11月30日

1 民事再生以外の選択肢

 会社の民事再生は、裁判所を通じて会社の債務を減額してもらい、分割払いで返済する手続きです。
 会社の民事再生を検討する方は、資金繰りに困っており、本来の約定どおり返済することが難しいか、既に滞納してしまっている方が多いです。
 他の選択肢としては、債権者との支払交渉(リスケジュールや私的整理といいます。)や自己破産等が考えられます。
 ここでは、他の選択肢に比べて、民事再生を選択するメリットとデメリットをご説明します。


2 民事再生のデメリット1-担保権を実行される可能性がある

 民事再生は、基本的に担保権の実行を制限することはできず、本社や自宅が金融機関の担保に入っている場合は、金融機関が担保権を実行することがあります。
 つまり、担保をとっている金融機関に、約束通り返済できなくても担保権を実行しないよう合意等ができないと、担保に入っている本社や自宅を失ったり、リースの物を引き上げられることになります。

 

3 民事再生のデメリット2-取引先の信頼を失うことがある

 民事再生は、官報に掲載され、帝国データバンク等の信用会社がその情報を載せます。
 取引先に民事再生したことが知れて、これまで掛け払いを認めていたところが現金払いを求めてきたり、取引が打ち切りになる可能性があります。

 

4 民事再生のメリット1-大幅に借金を減額できる

 民事再生は、裁判所を通して、大幅に借金を減額できることが最大の魅力です。
 民事再生では、借金額は、持っている財産全額分(清算価値といいます。)まで減額できますので、借金が10分の1以下まで減ることも少なくなりません。
 返済期間も最大10年までのばすことができます。
 債権者と話し合うだけでは、基本的に利息のみ支払うことで毎月の返済額を減らすことはできても、元金を減らすことは難しく、借金が残り続けることになりがちです。

 

5 民事再生のメリット2-基本的に代表者がそのまま事業を続けられる

 自己破産は、事業をやめることを基本にしており、事業を譲渡して事業が続く場合でも、代表者は退任することになります。
 民事再生は、DIP型といって、会社が手続きの主人公であり、中小企業であれば、代表者ご自身が事業に不可欠な存在であることから、代表者が退任することなく事業を続けられるのが魅力です。
 ただし、債権者の反対で代表が退任することを求められる可能性もありますので、詳細は民事再生に詳しい弁護士にご相談ください。

民事再生手続きにかかる費用

文責:弁護士 上田佳孝

最終更新日:2020年10月02日

1 民事再生手続きにかかる費用の種類

 民事再生は,裁判所に申請して,債務を減額してもらって,分割払いで返済していく手続きです。
 個人のサラリーマン等が申請する簡易な手続きである個人再生もありますが,ここでは,法人が申請する通常民事再生の手続きにかかる費用をご説明します。
 民事再生でかかる費用は,大きく分けると3つあります。
 1つは,予納金と呼ばれる裁判所に納める手数料です。
 民事再生は,監督委員という,依頼する弁護士と裁判所が選任する別の弁護士である監督委員が,依頼する弁護士とともに,本当に返済していけるかどうかや,財産額の評価,法的問題に関するアドバイス等を担当します。
 予納金の多くが,この監督委員の報酬にあたります。
 2つ目は,依頼する弁護士に支払う報酬です。
 3つ目は,実費です。

 

2 予納金は最低200万円の一括払い

 予納金は,監督委員という裁判所が選任する弁護士の報酬という側面があります。
 民事再生は,減額に反対している債権者の債務も強制的に減額するという強力な手続きですから,第三者的立場の専門家が適法に進んでいるか等調査することで,制度の信用を維持しているのです。
 予納金は,この監督委員の業務量や,債務が減額されることによって得られる利益の大きさ(主に債務額)等を考慮して,裁判所が決めるものです。
 裁判所ごとに内部基準が存在し,負債額1億円未満等最も少ない場合でも200万円か300万円を最低額と定めている裁判所が多いです。
 そして,予納金は,基本的に,裁判所で手続きを始めてもらう際に一括で支払う必要がありますので,民事再生を選択するには,最低限この費用がすぐに支払える状態になければなりません。

 

3 依頼する弁護士に支払う報酬は事案の複雑さによってさまざま

 依頼する弁護士に支払う報酬は,おおむね監督委員も弁護士であることから,監督委員の報酬,つまり裁判所の予納金との均衡を見て決めることが多いです。
 こちらも,業務量や緊急性,債務額等を考慮して,弁護士に委任する契約時に定めることになり,おおむね200万円から規模によっては500万円を超えるまで幅があります。
 支払方法は,毎月の分割払いもありますが,債権者への返済が始まった後に弁護士費用も支払うことは,支払能力の点からも法律上も問題がありますので,頭金で一定割合を支払い,その後は半年から1年程度の分割払いも珍しくありません。

 

4 実費

 実費は,郵便代,債権者向けの説明会の会場費,交通費等があります。
 これも規模によって異なりますが,おおむね10万~20万円程度でおさまることが多いでしょう。

 

5 弁護士にご相談ください

 ここでは,中小企業が行う民事再生を前提に記載していますので,航空会社のスカイマーク等報道が大きくなされる著名な会社や規模が大きい会社は,この数倍のお金がかかることになります。
 詳細は,民事再生に詳しい弁護士までおたずねください。

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